現代アートの見かた講座(全2回)
「難解でわからない」から卒業し、作品の意味を理解した鑑賞への一歩を踏みだす講座。

- 1時間目 2017年5月14日(日) 14:00-16:30
- 2時間目 2017年5月28日(日) 14:00-16:30
1回 : 3,800円
- 沢山遼
話題の展覧会やアートフェスティバル、美術館で目にする、現代アート。
街中のオブジェや参加型作品など、身近で親しみやすくなってきた反面「自分には理解できない」「誰にでも描けそうな絵のどこがすごいの?」と思う方も多いのではないでしょうか。
この講座では、現代アートの世界をどのように理解したらいいのか、作品の意味と読み解きかたを学びます。知っておくべき巨匠アーティストたちの多様な作品を丁寧に分解しながら見ていくことで、その背景を知り、難解に思える現代アートの像をつかみます。
第二次大戦後、現代アートの歴史はめまぐるしく移りかわりました。従来の絵画や彫刻だけでなく、アッサンブラージュ、ランド・アート、パフォーマンス、インスタレーションといった多様な作品が登場することとなります。また、とりわけ1940年代以降はニューヨークを中心に、抽象表現主義、ネオ・ダダ、ミニマリズム、ポップ・アートといった様々な運動が生まれました。美術館で鑑賞していてもよく触れるこういったムーブメントの名前ですが、それぞれがどういった試みであったのかについては、あまり詳しくないという方も多いはず。このように多様なアートの世界を、どのように理解すれば良いのでしょうか。そしてそこには、どのような動機や野心が潜んでいたのでしょうか。
アーティスト個人の主体性や内面を重視したそれまでの絵画作品とは違い、都市や環境、資本主義社会、作品が置かれる展示空間など、社会とつながることを指向しはじめた時代。「個人の外側の空間=生活や環境」へと作品を広げ、新しい流れを生み出そうとした大きな変化に注目し、その歴史を解きほぐします。
グループディスカッションを交えながら進む講座の中で、他の人の見かたを聞いたり、専門家の見かたを聞いたりすることで、難解だと思っていたアート作品を読み解く力が徐々に育ってくるのを実感できるはず。
現代を生きる私たちにとって大きなヒントを与えてくれる、アートとライフをめぐる数々の作品を一緒に楽しみましょう!
戦後の抽象絵画のムーブメントから、50年代以降のアメリカ美術から60年代のポップ・アートへ。現代アートが画期的な展開を遂げたその理由を考えます。
60年代以降、ミニマリズムやランド・アートなど、多様化する現代アート。「生活」や「環境」といったキーワードからわかりやすく解きほぐします。
2009年、論文「レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念」にて、美術出版社主催、第14回芸術評論募集、第一席。美術批評をはじめる。現代美術に関する批評を執筆するほか、主に20世紀の日本と欧米の芸術作品についての研究を行なっている。