アートの見かた講座(全4回)
現代への出発点となった20世紀の美術の歴史を通してアートの見かたを学ぶ講座。

- 1時間目 2016年2月21日(日) 14:00-16:00
- 2時間目 2016年2月28日(日) 14:00-16:00
- 3時間目 2016年3月06日(日) 14:00-16:00
- 4時間目 2016年3月13日(日) 14:00-16:00
1回 : 7,500円
- 沢山遼
話題の展覧会や、旅先でアートフェスティバルや美術館には行くけれど、「もっとアートの見かたが分かればいいのに」と思ったことはありませんか。この授業では、20世紀の西洋美術の歴史のおおまかな流れと、作品の見かた、読み解きかたを学びます。
誰でも一度は聞いたことのある有名な作家の作品から、あまり見たことがないような作品まで多くの作品を取り上げます。ひとつひとつの作品やアーティストにじっくり向き合い考えながら、アートの本質に迫ります。
20世紀は、今に続くアートの出発点となった時代。20世紀を知ることは、今私たちの身近にある“現代アート”をより深く知ることにもつながります。社会構造の変化やテクノロジーの発達とともに、アートも混沌の時代を迎えた20世紀。そこで生まれたさまざまなスタイルや運動を「リアリズム(=現実主義)」という視点から読み解きます。
グループディスカッションを交えながら進む授業の中で、自分のことばで作品について話してみたり、他の人の見かたを聞いたりするというプロセスを体験することで、難解だと思っていたアート作品を読み解く力が徐々に育ってくるのを実感できるはず。作家の思いや考え、アートが生まれた時代背景などを知り、一歩先を行く本格的なアート鑑賞を楽しみましょう!
20世紀のはじめは、絵画の大きな変わり目となりました。ピカソやマティスといった画家たちが、従来の価値観を一新する作品を発表し始めます。そうした作品はしばしば、仲間内の画家たちからも拒否感や嫌悪感をもって迎えられました。彼らの野心は、失敗に終わったのでしょうか?彼らの絵画から、その作品のもつ可能性を探ります。
1910年代、ヨーロッパでは、カンディンスキー、モンドリアン、マレーヴィチらによる「抽象絵画」が発表されはじめます。しかし、彼らが抽象に進んだのには、彼らなりの、切実で切迫した新しい世界や現実への希求がありました。つまり、その意味で抽象とは、具体的な要求をもつものでした。では、「抽象」の「具体」性とはなにか?その意味を探ります。
それまでのさまざまなアートのルールをことごとく破った「アヴァンギャルド(前衛)」について掘り下げます。未来派、ダダ、シュルレアリスム、デ・スティルなど、欧米各地で同時多発的に起こったアヴァンギャルドの誕生と衰退を通して、20世紀という時代のもつ特異性について考えます。
美術の中心は戦後、ヨーロッパから徐々にアメリカへ移ります。ジャクソン・ポロック、バーネット・ニューマンらの「抽象表現主義」の動きから、その後の現代美術の流れをつくったロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルらの活動を通して、「難しい」「分からない」と言われる現代アートの世界に踏み出します。
2009年、論文「レイバー・ワーク―カール・アンドレにおける制作の概念」にて、美術出版社主催、第14回芸術評論募集、第一席。美術批評をはじめる。現代美術に関する批評を執筆するほか、主に20世紀の日本と欧米の芸術作品についての研究を行なっている。